【筑波大学化学類】 “フッ素(F)の研究”について聞いてみました。

投稿日 2023.11.16
著者 EZ
カテゴリー卒業生インタビュー

本記事では、数理指導専門塾イーズの現役講師が大学生にインタビューを行い、その大学の内面まで深掘りして聞いています。

・入ってみて分かったこと、学部の特色
・受験期の勉強法、入試対策
・大学でかかる費用、生活費
など多方面から質問に答えてもらっています。

これを読めば行きたい大学・学部についてよく分かるし、志望校決めのヒントにもなりますよ。

今回のお相手：Eさん
・大学院1年生
・茨城県立土浦第一高等学校卒業
・筑波大学理工学群化学類
→（現在）筑波大学理工情報生命学術院数理物質科学研究群化学学位プログラム

今回は「筑波大学化学類での分析化学の研究と就活事情」について見ていきましょう。

1. 大学の学業関連

化学類で何を学ぶ？

“化学とは、化学現象を分子・電子レベルで研究し、自然界における普遍的な法則を追求する学問です。そのような基礎研究から、新規化合物の創製、環境汚染やエネルギー問題の解決、生命現象を分子レベルで理解する研究などへ展開されています。”（筑波大学理工学群化学類HPより引用https://chemistry.tsukuba.ac.jp/ug/）

化学類では、反応のメカニズムや化学物質の構造・性質を解明する「基礎研究」を行っています。基礎研究とは何かに応用するという目的は考えず、理論を形成したり、新たな法則を発見することを目的とした研究です。また基礎研究が明らかにしたことを基に、薬を作ったり、便利な素材を開発する研究のことを「応用研究」と言い、そのような研究室も筑波大学にはあります。

Q. 印象に残っている授業について教えてください。

A.
特に印象に残っている授業は、「計算化学」でした。
担当教員が面白かったのでとても覚えています。また、計算化学は比較的新しく珍しい分野で新鮮でした。

この授業では、パソコンと専用のソフトウェアを使います。この、ソフトウェアは、原子をパズルのように、構造式通りに配置すると、最適構造を３Dで表示してくれます。また、分子は、決まった形で固定されているのではなく、伸びたり縮んだり、曲がったり真っ直ぐになったりと、わずかに動いていて、この動きを画面上で再現することができます。これらを用いて、構造式で書いた分子は実際にどのような形で存在しているのか、また、構造の観点から反応の起こりやすさなどを考えていくことができます。

そのほか、化学類に入ると学ぶことができる授業（必修授業）は、このようなもの（下の表）があります。

Q. 専攻と研究について教えてください。

A.
市川研究室という有機合成化学の研究室に所属していました。
有機合成化学の分野では、目的の化学反応を促進したり制御したりしながら、望みの化合物を効率良く純度を高く合成するための研究を行なっています。そのために、この研究室ではフッ素の性質を利用した新しい反応や化合物の開発を行なっています。フッ素(F)のスペシャリストの教授がいる研究室です。（市川研究室HP https://www.chem.tsukuba.ac.jp/junji/）

その中でも私は、二重結合が2つ連続したアレンという化合物にフッ素を導入することでできる1,1-ジフルオロアレンを用いた様々な付加環化反応（付加反応を利用して環状の化合物を作る反応）の開発を行なっています。

2. 生活関連

・入学金：28万
・学費：年間50万。
・生活費：15000円
・奨学金：なし。
・住んでいるところ：実家（竹園）から通学
・通い方：自転車20分
・サークル：sheep（ジャグリングサークル）
・友達の作り方：サークル

3. 大学入試関連

・浪人
・試験方式：一般試験
・入試科目と方法：英語、数学、物理、化学（全部記述）
・二次試験の傾向：
　　自分が受験した2019年度は特に数学が簡単な年でした。

・定員：50人

・受験期学習の進め方：
　英語　夏までに文法を固めました。
　　　　テキストは、「構文150」を使用しました。
　数学　とにかく演習を繰り返しました。
　　　　過去問10年分を何度も何度も解き直しました。
　化学　旺文社の「鎌田の有機化学」シリーズを使い、理解しました。
　物理　河合塾の「物理のエッセンス」と「エクセル物理」を使い演習しました。

・日頃（高１〜２）どんな勉強をしたか：
　テスト前だけ勉強してました。

・大学の選び方：
　家から近いからです。

・併願校：
　センター利用：東京理科大学、中央大学