【筑波大学物理学類】原子力発電とは違う？核融合発電の研究で未来のエネルギーを作る！！

投稿日 2024.3.1
著者 EZ
カテゴリー卒業生インタビュー

本記事では、数理指導専門塾イーズの現役講師が大学生にインタビューを行い、その大学の内面まで深掘りして聞いています。

・入ってみて分かったこと、学部の特色
・受験期の勉強法、入試対策
・大学でかかる費用、生活費
など多方面から質問に答えてもらっています。

これを読めば行きたい大学・学部についてよく分かるし、志望校決めのヒントにもなりますよ。

今回のお相手：Mさん
・大学4年生
・東京都立戸山高等学校卒業
・筑波大学理工学群物理学類

今回は「筑波大学物理学類」について見ていきましょう。

1. 大学の学業関連

物理学類で何を学ぶ？

“物理学は、自然界で起こる様々な現象の基本法則を解き明かす学問です。自然界の法則というと、原子や素粒子などのミクロな世界の成り立ちとそれらを理解するために必要な量子論、広大な宇宙空間において時間と空間を結びつける相対論が思い浮かぶことでしょう。これら極限の世界で成り立つ新しい法則を探ることは、現代物理学の重要なフロンティアの一つです。”（筑波大学理工学群物理学類HPより引用筑波大学理工学群物理学類 – 筑波大学理工学群物理学類の公式サイト。入試情報、教員情報、イベント情報など (tsukuba.ac.jp)）

物理学では、身の回りの物質や現象を計算式で表すことを学びます。高校で学ぶ物理でも、動く物体の挙動や光の性質について学びました。しかし、大学物理では、さらにこの知識を深め、古典力学ではできなかった、粒子の運動を記述する量子力学や、古典力学の矛盾を解決する相対性理論などを学びます。さらには、4年生になると研究室に配属され、現代物理学の最先端である、宇宙はブラックホール、原子核などの研究をすることができます。

Q. 印象に残っている授業について教えてください。

A.特に印象に残っている授業は、「熱物理学」です。この授業では、エントロピーという指標を用いて、物質の熱変化による影響を考えるという内容でした。エントロピーは「乱雑さ」や「不可逆性」、つまり物質がどれだけ「整然としていないか」「自然に戻らないか」を表しており、この指標によって、熱による物質の変化を式で表せることに衝撃を受けました。

そのほか、物理学類に入ると学ぶことができる授業（必修授業）は、このようなもの（下の表）があります。

Q. 専攻と研究について教えてください。

A.私の専攻は核融合です。現在、核融合発電は未来のエネルギー源として注目されています。なぜなら、核融合発電で用いる燃料は海水から取り出せるため、無尽蔵で偏在せず、発電の際に温室効果ガスも出さず環境にも優しいからです。加えて、核融合は燃料の供給を止めれば反応が止まるため、原子力発電のような連鎖反応とは違い、安全性にも優れています。しかし、核融合発電の実現のためにはまだまだ課題があります。核融合発電を安全に安定して稼働できるように、様々な研究をしています。

私が現在行っている研究は、プラズマ対向材料であるタングステンとヘリウムの共堆積層の重水素吸蔵量の解析です。核融合発電は未来のエネルギー源として期待されていますが、燃料であるトリチウムは放射性物質であるため、使用量に制限があります。そこで、プラズマ対向材料として、低水素同位体吸蔵量という特徴を持つタングステンが使われています。しかし、核融合反応の副産物であるヘリウムプラズマは材料と相互作用し、タングステンの持つ特徴を変化させます。核融合炉の壁が放射化してしまう可能性があり、安全性に関わってきます。そこで、タングステンとヘリウムによる共堆積層の重水素吸蔵量について研究を行っています。

2. 生活関連

・入学金：28万
・学費：年間50万
・テキスト代：分からない。沢山。
・奨学金：なし
・住んでいるところ：実家
・通い方：電車一時間、バス30分
・友達の作り方：笑顔

3. 大学入試関連

・現役
・試験方式：一般試験
・入試科目と方法：英語、数学、物理、化学（全て記述）
・共通テスト（センター試験）の点数：
　　794点
・二次試験の点数：
　　覚えていない
・二次試験の傾向：
　　どの問題も基本的な問題が出る。
・定員：60人

・受験期学習の進め方：
　物理だけ塾に通っていました。

・日頃（高１〜２）どんな勉強をしたか：
　学校の課題を行っていました。

・大学の選び方：
　実家から通える範囲で大学を考えました。

・併願校：
　早稲田大学