2023年春に、2つの新しい高校が茨城県に開校します。そのひとつが、つくば市の「つくばサイエンス高等学校」。
つくば工科高等学校を前身とした学校で、茨城県内初の科学技術科を設置
科学技術関連の研究者や技術者などを育てる学校として、実践的な教育とカリキュラムが新たに組まれているのが特徴
本記事では、このように画期的なつくばサイエンス高等学校について紹介します。
※つくばは公的なものはつくばとひらがなにし、地域名としては筑波と漢字にしているのが通例です。
1.茨城県立土浦第一高等学校附属中学校 基本情報
学校名 | 茨城県立つくばサイエンス高等学校 |
所在地 | 〒305-0861 茨城県つくば市谷田部1818 |
電話番号 | 029-836-1441 |
国公私立 | 公立学校 |
共学・別学 | 共学 |
設立学科 | 科学技術科 |
学期 | 2学期制 |
全校生徒人数 | 240人(予定) |
2.つくばサイエンス高等学校の特徴
つくばサイエンス高等学校は、茨城県で初、全国では東京都に次いで科学技術科が設置された学校です。
前身となるつくば工科高等学校は、電気・機械・ロボットなどの学科があり、就職や専門学校へ進学する生徒が多数を占めていましたが、つくばサイエンス高等学校は理系大学進学を目指す学校になります。
つくば工科高等学校とつくばサイエンス高等学校は別の学校であり、学習内容やカリキュラムは違っています。
つくば工科高等学校からつくばサイエンス高等学校までの移行の流れは以下の通りです。
令和6年度までは、つくば工科高校生と、校舎や体育館等を共用します。
また、つくばサイエンス高等学校の設置に伴い、バイオ実習室などの化学・生物領域の施設やロボット、情報、建築の3領域の最新設備も導入します。
つくばサイエンス高等学校は、研究者や高度技術者を目指す生徒の学びの場であり、1年次から段階を踏んで横断的な学習ができる、進学かつ研究重視のカリキュラムが組まれています。
1年次は全員が同じカリキュラムで、物理・化学・生物の基礎や数学・工業情報数理などを学習し、基礎知識をしっかりと身に着けた上で、生徒一人一人の興味関心がある分野・領域を模索していきます。
2年次からは、選んだ分野・領域を座学だけではなく、実践的な研究や大学・研究機関・企業との連携を通じてより深く学習します。
2年次・3年次からは生徒同士が共働で学び合うゼミが始まり、研究テーマを自ら設定し、試行錯誤しながら課題解決を目指す取り組みも行います。
ゼミ活動では大学(院)生等のアドバイザーとの学習や、研究論文制作と成果発表会(プレゼンテーション)なども予定しているので、さらに高度な学習を実現します。
他にも、大学教授や研究者の出前講座や「サイエンストレーニングプログラム」という近隣の中学校との連携講座なども予定しており、学校以外の力も最大限に活用し、生徒の学びをサポートしていきます。
次に、つくばサイエンス高等学校で学べる4領域についてご紹介いたします。
●数学・物理分野 ロボット・機械領域
ロボットに関する知識・技術として、数学や物理学、機械要素、機構学などを学ぶ領域です。宇宙や農業、医療など様々な分野と融合するロボティクス分野を科学的に探究していきます。
課題研究例:家事支援ロボット、救助ドローンなど
●数学・物理分野 電子・情報領域
プログラミング技術を含むコンピューターに関する知識と、電子回路の設計・制作、ネットワークや無線通信の技術などを学ぶ領域です。loT[注1]やAIなどの組み込み技術も身につけていきます。
課題研究例:人工衛星活用、スマホアプリなど
[注1] IoT
「Internet of Things」の略。ありとあらゆるモノがインターネットに接続する世界のこと。
●数学・物理分野 建築デザイン領域
建築に関する知識や技術を学ぶ領域です。VRや3SCAD[注2]などICT[注3]を活用して、建築に必要とされる「用・強・美」を科学的に探究していきます。
未来の建築を研究し、創造する力を身につけていきます。
課題研究例:スマートハウス・まちづくりなど
[注2] 3SCAD
「Computer Aided Design」の略。
紙の図面ではなくコンピューターを使って設計やデザインを行うこと全般を指します。
3DCADとは、紙で行っていた平面な図面(2D)をコンピューター上で立体的(3D)に設計することを言います。
[注3] ICT
「Information and Communication Technology」の略。情報通信技術のこと。
●化学・生物分野 化学・生物領域
化学・生物の基礎と環境化学、微生物の活用技術、植物バイオテクノロジーなどの応用知識・技術を学ぶ領域です。
環境、エネルギー、農業など様々な分野と繋がる化学・生物分野を科学的に探究していきます。
課題研究例:水質浄化、発酵食品など
この通り、理系大学進学を目指すカリキュラムが組まれており、授業も理系科目が中心となります。
そのため、一般入試に必要な普通科目の授業数は普通高校と比べて少なくなっておりますが、
不足分を課外やICT教材の活用で補うシステムが用意されております。
つくばサイエンス高等学校の学校生活
通う学校を選ぶ際に、地味に重要になってくるのが通学手段や通学時間。
つくばサイエンス高等学校への登校手段は、大きく分けて3つあります。
●つくばエクスプレス線
最寄り駅『みどりの駅』から2種類のバスが出ています。
関東鉄道バスの場合
『牛久駅行』or『農林団地土浦行』に乗車
↓乗車約5分
『谷田部四つ角』で下車
↓徒歩10分
つくばサイエンス高等学校
通学時間約15分
つくバスの場合
『谷田部窓口センター行』に乗車
↓乗車約10分
『つくば工業高校前』で下車
通学時間約10分
『みどりの駅』からは徒歩・自転車での通学も可能な位置にあります。
所要時間は、徒歩は約30分、自転車は約10分です。
●JR常磐線
『荒川沖駅』の場合
関東鉄道バス
『つくばセンター行』に乗車
↓乗車約10分
『並木団地南』で下車
↓乗り換え
『みどりの駅行』に乗車
↓乗車約25分
『谷田部四つ角』で下車
↓徒歩10分
つくばサイエンス高等学校
通学時間約45分
『牛久駅』の場合
関東鉄道バス
『みどりの駅行』に乗車
↓乗車約30分
『谷田部四つ角』で下車
↓徒歩10分
つくばサイエンス高等学校
通学時間約40分
●関東鉄道常磐線
『水海道駅』の関東鉄道バス『土浦駅行』乗車
↓乗車約25分
『谷田部四つ角』で下車
↓徒歩10分
つくばサイエンス高等学校
通学時間約35分
つくばサイエンス高等学校は、登校時刻を8時40分で予定しています。沢山の通学手段があるので、ご自宅と学校の位置から通いやすいを選びましょう。
部活動は、以下の17種が予定されています。
硬式野球、サッカー、バスケットボール、卓球、バレーボール、ハンドボール、バドミントン、陸上競技、剣道、柔道、弓道、自転車競技、領域系部活動、吹奏楽部、美術部、書道、漫画研究会
また、年間行事は以下が予定されています。
前期 | 後期 |
・前期始業式 ・スポーツフェスティバル ・文化祭 | ・後期始業式 ・修学旅行(2年次) ・研究発表会 ・走歩大会 |
上記の行事に加え、1年次には『科学国際セミナー』という大学教授や研究者、技術者をゲストティーチャーとして招き、科学研究・国際研究の基礎を学ぶ行事(授業)があります。
つくば工科高等学校の生徒とは、部活動や年間行事を通じて交流をしていきます。
入試情報
つくばサイエンス高等学校の入試予定は以下の通りです。
茨城県立入試日程
入学願書提出 | 2/8(水)~10(金) |
志願先変更 | 2/16(木)~17(金) |
転勤子女特例出願 | 2/21(火)~22(水) |
学力検査 | 3/3(金) 学力検査 時間割 |
特色選抜面接 実技検査 | 3/6(月) |
追検査・ 学力検査 | 3/9(木) |
追検査・ 実技検査 | 3/10(金) |
合格者発表 | 3/14(火)午前9時 |
入試者選抜における特色選抜実施概要
募集人数の割合 | 募集定員(240人)50%以内 120人以内 ※募集人数等は、11月中旬に県教育委員会から正式に発表予定。 |
出願要件 | 次のア、イ、のいずれかの要件を満たす者 ア 中学校時代に、科学に関連する探究活動(※1)に取り組んだ経験を有し、本校入学後も積極的に探究活動に挑戦する意思のある者。 イ 中学校時代に、科学に関連するコンテスト等(※2)に参加した経験を有し、本高入学後も積極的にその活動に挑戦する意思のある者。 ※1「科学に関連する探究活動」とは、ロボット、情報、建築、化学、生物、宇宙、防災、エネルギー、まちづくり、環境、食品などをテーマとする探究活動。 ※2「科学に関連するコンテスト等」とは、ロボットコンテスト、科学の甲子園ジュニア、プログラミングコンテスト、発明工夫展など。 |
選抜資料及び配点
学力検査 | 700 |
調査書 | 200 |
プレゼンテーション | 200 |
合計 | 1100 |
IT科及び科学技術科に関する学科で特定教科の得点にかける倍率(特色選抜)
倍率 | 配点 | ||
数学 | 理科 | 数学 | 理科 |
2 | 2 | 200 | 200 |
プレゼンテーション、作文及び実技検査の実施内容
実施日 | 令和5年3月6日(月) 午前9時10分~ |
発表形式 | 個別発表5分、質疑応答5分程度(一人10分程度) |
お題テーマ | 以下のア、イの中から選択して実施する。 ア 「中学校時代に取り組んだ科学に関連する研究活動と入学後に取り組みたいこと」 イ 「中学時代に参加した科学に関連するコンテスト等と入学後に取り組みたいこと」 |
注意事項 | 〇科学に関連する探究活動については、学校(授業や部活動等)、家庭、外部団体、本校の「サイエンストレーニングプログラム(STP)」で取り組んだいずれかの活動も可とする。 〇特色選抜受験者は、令和5年3月6日(月)の午前8時40分に集合すること。集合時間は、受検人数によっては、午後になることもある。このことについては、別途、受検者に通知する。 〇学力検査受検票は、必ず持参する。 〇上履きは各自用意する。 ○ プレゼンテーションに係る機器・資料の使用については、次のとおりとする。 ・PC、タブレット、自作ポスター等、作品、手持ち資料やメモ等を持ち込んでも良い。 ・プロジェクターや電子黒板等の提示装置の使用は認めない。 ・スマートフォン・携帯電話等の通信機器の使用は認めない。 ・PC、タブレットによる外部との通信は認めない。 ・PC、タブレットを使用する場合、機器の不具合に備えておく。 ○ 受検に当たっては、すべて係員の指示を受ける。 |
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