2025年度から始まる新課程入試について

2022年度に高校1年生になった子供たちから新しい学習指導要領で学習が始まっています!それに伴い、2025年度の大学入試の科目や配点にも変更があることが公表されています。今回は、新課程で変わる共通テストにフォーカスして整理していきます!(※2023年6月時点のため今後変更あり)

学習指導要領は、約10年ごとに大幅に改訂されます。前回は2011年。2002年から始まった教育課程が改訂されましたが、それまでのゆとり教育に対して脱ゆとりと表現されることが多いです!

(1)新課程の導入(2022年の高1~実施)による変更一覧

英語や理科は細かい変更はあるものの、概ね現行のものと代わり映えの内容になりそうだが、それ以外の教科には変更点が多く、共通テストにも影響してくる。次の項目では、科目と時間割を見ていこう!

(2)実施科目と時間割

2日目の変更点の特徴は、教科の順番と情報の追加です。今までは2日目の最初は数学でしたが、理科に変更されました。その日の最初の教科のできは、その後の教科のモチベーションを左右すると言っても過言ではありません。数学と比べると理科科目の方が、知識をしっかりと入れることが出来れば、得点は安定しやすい特徴はあるので、ぜひこの利点を活かして二日目のいいスタートが切れるように調整したいですね。

さて、次の項目では、それぞれの科目ごとに発表された試作問題を元に、変更点を取り上げてみてみましょう!

(3)変更点や試作問題の特徴

①国語

ポイント

・大問3について公表された試作問題は、複数のグラフや図、文章の資料から学習者がレポートを作成するという設定の問題。 

・資料がさらに増えて、受験生は短時間での情報処理能力をより求められることは明らか。

②数学

〈数学IAについて

ポイント

・今まで選択方式だったものから、すべて必答になったことは大きな変更点

〈数IIBについて〉

ポイント

試験時間が10分延長しただけにも関わらず、70分で解かなければいけない問題数は今までの4題から2題も増えた。また、新課程になって扱う単元の変更もあり、勉強しないといけない単元の増加は確定している。

③英語

ポイント

・今年の1月の共通テストとくらべて全体の方向性に大きな変化は見られず、必要とされる能力も今までと変わらない。

・読み手にわかりやすいような文章の構成を考えされることで、書く力とも関連づけようとする意図が見える

・リスニングの問題でも場面設定などを通じ、「話す」を意識させる狙いも見れらる。

④理科

試作問題が発表されていないため、詳細は不明。教育課程の大きな変動がないため、これまでの出題形式と同様な傾向と考えられる。

⑤社会

〈日本史について〉

〈世界史について〉

ポイント

・歴史総合、日本史探究における25点分の歴史総合は、世界史寄りの出題に!

・歴史総合、世界史探究における25点分の歴史総合は、日本史寄りの出題に!

・複数資料を読み解く力を求めるのは今と変わらない。

〈地理について〉

ポイント

・複数資料が出ることはこれまでと変わらないが、初見の資料が増えた。受験生は見慣れない図やグラフに動揺せずに、しっかりと読み取る力があれば、得点アップが期待できる。

・日本と世界とを結びつけることも問題も特徴的で、単純な知識の暗記だけでは無理。

〈公民について〉

ポイント

・今までの公民は、「現代社会」、「倫理」、「政治・経済」、「倫理・政治・経済」の科目選択が出来たが、新課程になり、「公共(25点)・倫理(75点)」、「公共(25点)・政治・経済(75点)」か「地理総合、歴史総合、公共」の選択となった。

・試作問題では、図表の読み取り問題が目立った。データを扱う問題は現行の現代社会にもあるが量が増えて内容が高度化した印象。

・データサイエンスが重視されるなか、公民でも統計の知識や技能が問われている。

・教科書に沿って知識を身につけるという対策は変わらない。学校の授業で指導は、社会のある事柄について意見交換や議論することが多く知識のインプットを怠らないことが大事。

⑥情報

ポイント

・新課程になってから初めての実施科目である。共通テスト専用のプログラム表記「DNCL」の問題に慣れておく必要がある。

・試作問題では、箱ひげ図や散布図などから分析をさせ、標準偏差をつかって合ずれ地の判断を行う問題も出題されている。

〈国公立大 共通テスト「情報I」利用状況〉

2025年度入試から始まる情報Iだが、国公立大学の対応は様々。特に国立の場合は「必須」とするところがほとんど。ただし、北海道大学や徳島大学、香川大学は情報Iの受験を必須とするも、点数化はしないことを公表している。また、公立大学の方は他教科との選択が可能である大学も多い。情報と選択で並ぶ教科は、「数学②」が多い。

(4)まとめ

2025年度から始まる新課程の共通テストをまとめましたが、全体的に勉強量が増えることが伺えます。

情報の追加や国語の必答問題の増加、数学IIBCの選択する単元の変化も多く明らかに今までの教育課程の共通テストと比べると受験生の負担が増えることは明らか。受験に必要な科目等を事前に把握し、受験に向けた勉強を高1の段階から意識することが必須ですね!

高3生の夏で部活が終わってから対策では、厳しい!遅くとも高2の冬くらいからは、対策を始めたいところですね。