本記事では、数理指導専門塾イーズの現役講師が大学生にインタビューを行い、その大学の内面まで深掘りして聞いています。
・入ってみて分かったこと、学部の特色
・受験期の勉強法、入試対策
・大学でかかる費用、生活費
など多方面から質問に答えてもらっています。
これを読めば行きたい大学・学部についてよく分かるし、志望校決めのヒントにもなりますよ。
今回のお相手:Iさん
・2023年卒業生
・埼玉県立川越高等学校 卒業
・筑波大学理工学群化学類
→筑波大学大学院 理工情報生命学術院 数理物質科学研究群 化学学位プログラム
→(現在)株式会社で務める社会人1年目
今回は「無機化学の研究」について見ていきましょう。
1. 大学の学業関連
化学類で何を学ぶ?
“化学とは、化学現象を分子・電子レベルで研究し、自然界における普遍的な法則を追求する学問です。そのような基礎研究から、新規化合物の創製、環境汚染やエネルギー問題の解決、生命現象を分子レベルで理解する研究などへ展開されています。”(筑波大学理工学群化学類HPより引用https://chemistry.tsukuba.ac.jp/ug/)
化学類では、反応のメカニズムや化学物質の構造・性質を解明する「基礎研究」を行っています。基礎研究とは、何かに応用するという目的は考えず、理論を形成したり、新たな法則を発見することを目的とした研究です。また基礎研究が明らかにしたことを基に、薬を作ったり、便利な素材を開発する研究のことを「応用研究」と言い、そのような研究室も筑波大学にはあります。
Q. 一番面白かった授業について教えてください。
A.
一番面白かった授業は、3年生で履修する「専門化学実験」でした。
様々な器具や試薬に実際に触れることができるため面白かったです。
絵やイラストで表される「The 化学」的なことを幅広く、実際に取り組むことができます。
Q. 印象に残っている授業について教えてください。
A.
特に印象に残っている授業は、3年生で履修する「有機化学」でした。
大学に入って初めてこの授業で化学を本格的に感じることができたため、印象に残っています。
この授業では、化学反応がなぜ起こるのか電子と構造に着目しながら、論理的に考えていくことができます。
そのほか、化学類に入ると学ぶことができる授業(必修授業)は、このようなもの(下の表)があります。
Q. 専攻と研究について教えてください。
A.
私は、二瓶研究室に所属しています。
所属する研究室では、金属を中心とした無機合成化学の研究を行なっています。
具体的には、無機化学をベースに錯体やカゴ型の分子、ナノ粒子の合成を行っています。様々な金属と炭素や窒素、酸素からなる有機分子を組み合わせることで、今までにない機能性を持つ分子を生み出すことが出きると期待しています。
(二瓶研究室HPhttps://www.chem.tsukuba.ac.jp/~nihei_lab/)
その中でも、私の研究は今まで合成されたことのないサイズや形状の金属酸化物ナノ粒子の合成に取り組んでいました。身近な金属酸化物には酸化鉄や酸化チタン、酸化亜鉛などがあります。金属酸化物ナノ粒子はサイズや形状によって抗菌作用や触媒作用など様々な機能を発現することが予測されます。
2. 生活関連
・入学金:28万
・学費:年間50万。
・テキスト代:5万
・生活費:6万
・家賃:5.6万円
・奨学金:入学金免除, 授業料免除, 給付型奨学金,(大学院生のときのものです。)
6万円/月の奨学金を受け取っていました。
・住んでいるところ:春日(一人暮らし)
・通い方:自転車で5分
・サークル:陸上競技同好会
・友達の作り方:
普段一緒に授業受ける人やサークルを通じて少しづつ作ればいいと思います。
無理して色々なコミュニティに所属すると疲れてしまうのでほどほどに作ればいいと思います!
3. 大学入試関連
・現役
・試験方式: 一般試験
・入試科目と方法:英語、数学、物理、化学(全部記述)
・共通テスト(センター試験)の点数:
細かい点数は覚えてないですが、9割程度採れました。
・二次試験の傾向:
基本的な問題が多く、そこまで複雑な問題はでなかった印象です。
・高校時代の偏差値:72
・定員:32人。
・受験期学習の進め方:
自分で作ったノートを参考に基礎を固め、過去問や問題集をひたすら解き続けました。
・日頃(高1〜2)どんな勉強をしたか:
通学中は英単語帳などをやっていました。テストでなくても復習は定期的にやりました。
・大学の選び方:
雰囲気、偏差値、校風
・併願校:なし。
4. 就職関連
・インターン情報:太陽ホールディングス(技術職)
・先輩の就職先:ほとんどが学校現場の先生になります。
・就活で大変だったこと:企業選び。
・受ける企業の選び方:企業理念。給与。営業利益率。
・今勤めている会社について
プリント配線板の表面に塗布される“緑色のインキ”を牽引している会社です。世界トップシェアを誇っています。現在は、スマホやテレビ、ゲームなどに使われる、液晶ディスプレイ・有機ELディスプレイ・プラズマディスプレイなどのフラットパネル・ディスプレイ(FPD)用部材などの新たな化学材料を研究し、より良い商品を生み出して世界に供給し続けております。
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