【筑波大学生物資源学類】新しい品種で農業の願いを叶える研究

本記事では、数理指導専門塾イーズの現役講師が大学生にインタビューを行い、その大学の内面まで深掘りして聞いています。

・入ってみて分かったこと、学部の特色
・受験期の勉強法、入試対策
・大学でかかる費用、生活費
など多方面から質問に答えてもらっています。

これを読めば行きたい大学・学部についてよく分かるし、志望校決めのヒントにもなりますよ。

今回のお相手:Mさん
・大学院2年生
・芝高等学校 卒業
・筑波大学 生命環境学群 生物資源学類
 →(現在)筑波大学大学院 理工情報生命学術院 生命地球科学研究群 生物資源科学学位プログラム

今回は「新しい品種を作る研究」について見ていきましょう。

1. 大学の学業関連

生物資源学類で何を学ぶ?

生物資源学類では、人間を含む多様な生物の生命現象、それを支える地球環境、さらには生物資源の保全や持続的活用に関する総合的探求を通して、人類の生存や安全で豊かな生活の基本である生物資源に関する総合的な知識と問題発見・解決能力をもち、 社会で活躍できる未来創造型の人材の育成を教育目標としています。

生物資源学類のカリキュラムには4つのコース(農林生物学コース、応用生命化学コース、環境工学コース、社会経済学コース)と3つの横断領域があり、自然科学から社会科学に至る多岐に渡る学問を学ぶことができます。最先端の知識や技術を習得できる専門科目、緑豊かな広大なキャンパスで自然と向き合いながら生物資源を体得することができる実験や実習科目、国内外におけるインターンシップ科目などによって、専門性だけではなく、問題解決能力、国際性及び社会貢献意欲などを身につけた実践的な学生の育成を目指しています。各コースの詳細については、こちらのHPに掲載されています。(筑波大学 生命環境学群 生物資源学類HPより引用https://www.bres.tsukuba.ac.jp/bachelor/introduce_gakurui/

Q. 一番面白かった授業について教えてください。

A.
一番面白かった授業は「生物生産システム学実習」です。
コメの食味検査やウシの体重測定など、他の実習授業だと出来ない体験を出来たからです。
また分野も様々で、作物、果実、園芸(野菜も含む)、畜産など幅広い農業分野に触れたうえで
突っ込んだ深い内容まで経験できた点が一番面白かった点でした。

Q. 印象に残っている授業について教えてください。

A.
特に印象に残っている授業は、「植物生物工学」でした。
オムニバス形式(毎回違う先生が講義してくださる形式)だが、何回か似た話が出てくることもあり、
講義だけでしっかりと遺伝子工学的な新しい技術の発展を理解できたからです。

そのほか、生物資源学類に入ると次のようなカリキュラムで最初は幅広く、学年が上がるとより専門的な内容を深くまで学ぶことができます。

1年時
幅広い能力を持つ専門家としての基礎を築く。

生物資源科学の総論を学ぶ「生物資源科学入門」、現場を体験して学ぶ「生物資源科学実習」、 生物資源科学の最前線を理解する「生物資源現代の課題」、自ら問題を調べ発表する「生物資源科学演習」を必修科目として全学生が履修します。

2年次
専門を深めるための知識と技術を身につける。

食料・環境・国際の3つのキーワードに関連する横断領域科目を履修し、学術的視野を広げます。

3年次
専門性をさらに深める。

3年次からは4つの専門コースの中の1つのコースに所属し、コースの専門科目を履修します。所属するコースの科目を中心に履修することになりますが、 横断領域科目を併せて履修することで関連分野の知識を広げます。

4年次
最先端の実験技術を習得する。

引き続き専門科目を履修すると同時に、必修科目の卒業研究を通して、生物資源科学をより深く理解し、最先端の実験技術等を習得します。

Q. 専攻と研究について教えてください。

A.
植物育種学研究室に所属しています。
この研究室は、農林生物学コース(生物系)に分類されます。
この研究室では、「新たな品種を開発する事」を最大最終の目的として、
それに関係する技術や情報に関係して主に3つの研究内容に取り組んでいます。
まず1つとしては、ダイズを研究材料として、乾燥ストレスに強い品種かどうかを判断する技術に関するを研究しています。2つ目は、遺伝子組み換え作物に導入された遺伝子が、もともとある生態系に影響を与えるのか否かの研究をしています。以上の2つは、植物を実際の農業と近い形で栽培し、どれだけの量収穫できるか?といったデータを取得・解析する事で研究を進めています。
3つ目として、ウリ科作物(メロンやスイカ等)について、病気に強くなるには?理想的な果実の形を決めるには?といった様々な植物の特徴を、遺伝子レベルの細かい所から研究を行っています。(植物育種学研究室HP:https://www.bres.tsukuba.ac.jp/laboratories/plantbreeding/

その中でも自分は、様々なダイズの品種が乾燥に強いのかどうかを判断するために、実際に乾燥条件下で栽培を行い収穫量などを調査しています。それに加えて、様々な植物の特徴を検出できるとされる葉から反射する光を測定する機会を用いて、反射光のデータも集めています。この反射光のデータからは、収穫量を予測する数式を構築し、予測される収穫量を算出しています。正確に予測することが出来れば、最期まで栽培を行わずとも収穫量を判断でき、新たな品種の開発時に必要な品種の取捨選択にかかる時間を減らすことが可能となります。

2. 生活関連

・入学金:28万円
・学費:年間50万円
・テキスト代:2万円
・生活費:8万円
・家賃:2.8万円
・奨学金:貸与型奨学金 8.8万円/月
・住んでいるところ:春日
・通い方:自転車で15分
・サークル:なし(大学4年生まで陸上競技部に所属)
・友達の作り方:
 入学直後はクラス単位での授業やクラスごとに模擬店を出すお祭りもあるので、そこで仲良くなるのが一番良いと思います。また、サークルや部活動に入る事で様々な学類の人と関わる事も出来るのでそれもおすすめです。バイトなどの情報も得られると思います。
・おすすめのお店:
 夢屋(定食)、龍郎(ラーメン)

3. 大学入試関連

・現役
・試験方式: 公募推薦
・入試科目と方法:面接と小論文(総合問題のような形式)
・共通テスト(センター試験)の点数:
 合計747点
・推薦試験の点数:
 合計531点
・推薦試験の傾向:
 推薦入試の赤本等出版されていると思うが、毎年小論文は傾向が変わると思った方がいいと思います。
 私が受験した時には例年の倍程度の記述量となり、かつ英文を読む問題も出題されました。
 ただ基本としては、農業や環境に関係するような内容となっています。

・高校時代の偏差値:62
・定員:120(推薦入試は30名程度)

・受験期学習の進め方:
 英語…鉄緑英単語、英文解釈教室。英文解釈教室は1周した。
 数学…学校で渡された問題集と追加プリント。問題集は課題以外に1周ほどした。
 生物…学校で渡された問題集を課題意外に1周ほどした。
 化学…学校で渡された問題集と追加プリントに取り組んだ。
    また、補習授業をおこなってくれたのでそれにも頻繁に出席した。
 地理…授業のみ。
 国語…授業のみ。漢文や古文の基礎は電車の中でたまに本を読んで学習もした。

・日頃(高1〜2)どんな勉強をしたか:
 基本は授業で課される課題や、授業でプラスアルファで配られるプリントに取り組んでいました。
 行き帰りの電車内では英単語帳を読んでいました。

・大学の選び方:
 自宅から通学できる距離であるかという事と、私は陸上競技に取り組みたい気持ちがあったので陸上競技部が強いという事から選択しました。また、農業のみならず国際協力にも興味があったので、他学類の講義も取れる筑波大学は魅力的でした。

4. 就職関連

・インターン情報:
サカタのタネ(研究職)、JA全農(総合職)、兼松(総合職)、Jオイルミルズ(研究職)

・先輩の就職先:
公務員、種苗メーカー

・就職活動で大変だったこと:
計画を立てる事。
特に忙しい時期になると選考等の時間が被ることがありスケジューリングに苦労する事もありました。

・受ける企業の決め方:
様々な企業の説明会を受けてみて決定した。
最初は研究職に絞っていたが、自分の中で納得できない面もあったため自らの興味に合致しそうな業種を選択して説明会を受けた。その中でより自分のやりたいことが出来ると思える企業を受けた。

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